室内空気質測定の種類
室内空気質測定の種類について
採取方法は a.簡易測定 と b.精密測定 の2つに分かれます。
a 簡易測定
デジタル表示や目盛りの読み値により現場ですぐに結果が表記出来るもの。
とりあえずホルムアルデヒドを調べたい方は簡易測定がいいでしょう。
室内の空気を吸引する機械で空気を30分吸引して、検知管の色の変化でPPMを測定します。
0.08ppm以下であれば一般的には問題ありません。
※弊社、すこやかスコア調査(スタンダード)に
含まれています。
b 精密測定
厚生労働省がガイドラインで定めた方法です。
原因を詳細に調べたい方、外部機関にデータを提示したい方はこちらの精密測定が必要です。
空気質を捕集管に吸引し、分析センターにて精密に分析を行います。
測定方法として、
Ⅰ)吸引方式(アクティブ法)
Ⅱ)拡散方式(パッシブ法) があります。
アクティブ法は室内空気を採取する際に、吸引ポンプを使用し強制的に空気を捕集管に吸着刺させる方法です。
パッシブ法は室内空気を採取する際に気体の蒸気拡散を利用し空気を捕集管に自然吸着させる方法です。
アクティブ法とパッシブ法の違い
吸引方式(アクティブ法)で採取を行った場合と拡散方式(パッシブ法)で採取を行った場合では、測定器結果に若干の相違が見られる。これは、吸引方式(アクティブ法)の測定結果は30分の平均値であり、拡散方式(パッシブ法)の測定結果は24時間の平均値であることに起因します。
室内濃度測定の測定対象物質であるアルデヒド類及びVOC類は温度変化により室内の放散量が変動します。
吸引方式(アクティブ法)の30分間の平均値であれば、温度変化は殆ど見られませんが、拡散方式(パッシブ法)の24時間の平均値では夜間に気温が下がることに伴い室内の温度も下がることから、吸引方式(アクティブ法)で採取を行った場合と拡散方式(パッシブ法)で採取を行った場合を単純比較すると拡散方式(パッシブ法)で採取を行った場合のほうが、低い測定結果になることが多くなります。
最近の日本における各社の空気室測定器方法では吸引器を使用しない低コストの拡散方式(パッシブ法)が多く見受けられますが、根本的に過小評価した測定方法となります。
弊社では吸引方式(アクティブ法)で判断する事が、より確実な測定が可能であると考えますので、基本的には信頼性の高い吸引方式(アクティブ法)で測定致します。
精密測定(アクティブ法)の方法
(測定方法)
測定計画
①測定場所の設定
基本的には居間と寝室・外気を測定場所とする。
その他、臭いが気になる部屋、日当たりが良く室温が高くなりやすい部屋、最上階の部屋、または階数がより上の階の部屋
②測定スケジュールの設定
(新築の場合)工事の全工程が完了した後の引き渡し
2~3時間前の30分間
(居住住宅の場合)24時間いつでも
温湿度計により計測場所も変える
事前準備
③測定器など準備物の手配
④測定場所についての注意事項の確認と徹底
塗料や接着剤が室内にないか確認
臭気がないか確認
部屋への立入の禁止
測定位置 壁の中央部(壁から1m以上離れて)高さ1.2~1.5mの位置
外気の測定値は室内測定場所と同程度の高さ、
外壁および空調の設備排気口より2~5m離れた位置
⑤サンプリング用ポンプの取扱方法確認
サンプリングポンプの流量計パネルの確認、動作確認、積算流量のリセット
⑥サンプラーの取扱方法確認
測定中以外は冷蔵庫にて冷蔵管理
ホルムアルデヒド用サンプラー、VOC用サンプラーの開封と設置準備
⑦温湿度計の取扱方法確認
つるす際にはひもに注意
測定開始
⑧室内換気・閉鎖の実施(新築)
⑨サンプリング用ポンプの設置と動作確認
⑩サンプラーの設置・測定開始
※30分間測定を同時に2回もしくは3分測定を2回連続で実施
測定終了
⑪サンプラーの分析
⑫報告書の作成
⑬お客様へのご報告
分析結果報告