建築工事における「クロス(壁紙)」は、ほとんどの場所で使われる定番の素材です。安価で取り替えが簡単なことから、長年にわたり人気のある選択肢となっています。しかし、近年ではさらに安く、使いやすい製品が次々と登場する一方で、安全性が懸念されることも増えています。
化学物質過敏症の方におすすめのクロス選びのポイント
建材や内装材に含まれる化学物質は、化学物質過敏症の方に深刻な影響を与えることがあります。クロスの選び方次第で、室内環境を大きく改善できる可能性があるため、以下の基本ポイントを押さえておきましょう。
1. 分厚いクロスではなく、薄くて固いクロスを選ぶ
一般的に「リフォームクロス」と呼ばれる、厚くてプクプクとした触感のクロスは避けましょう。これらのクロスは安価なことが多いですが、発泡材が使用されており、可塑剤が含まれる可能性があります。この可塑剤が体に悪影響を及ぼすことがあるため、注意が必要です。クロスメーカーが提供する「固いタイプ」のシリーズを選ぶと良いでしょう。
ちなみに、一般工務店さんは、あとの仕上がよく見えるようにリフォーム用の分厚いクロスをすすめる所が多いと思います。
2. 防炎や抗菌加工のないクロスを選ぶ
防炎や抗菌加工が施されたクロスには、化学物質が使用されていることが多いため、化学物質過敏症の方には不向きです。さらに、固いクロスでも、表面に模様や色をつけるために特殊なコーティングが施されている場合があるので、しっかりと確認することが大切です。
3. 必ずメーカーからサンプルを取り寄せて確認する
実際に使うクロスを決める際には、A4サイズのサンプルをメーカーから無償で取り寄せ、自分の目と手で確認することをお勧めします。サンプルを見て確認することで、予期せぬ問題を避けることができます。
追加の注意点
これらのアドバイスは、ある程度の化学物質過敏症の方に有効ですが、特に重症な方や、クロスの材料に強く反応してしまう方には不十分かもしれません。その場合は、クロスではなく、漆喰(しっくい)塗りや他の代替手段を検討する必要があります。
また、「化学物質過敏症の方でも安心」と謳われたクロス製品が市場に出回っていることがありますが、実際には適切でないケースもあるため、しっかりと調査し、信頼できるメーカーの製品を選ぶことが重要です。
安全で快適な住環境を実現するためには、化学物質過敏症の方に適したクロス選びが欠かせません。健康を守るためにも、慎重な選定を心がけましょう。
追伸:上記アドバイスはクロス選びのポイントの一部です。実際にはクロスについても接着糊についてもケースバイケースで注意点がございます。
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