健康住宅の実現には、素材選びが重要なポイント。その中でも「無垢フローリング」は、天然木材ならではの美しさや温かみ、そして健康への配慮が評価されています。しかし、無垢フローリングと一口に言っても、木材の種類や特性によって適した使い方はさまざまです。
今回は、弊社でよく使用する「イタヤカエデ」「ブナ」「クリ」だけでなく、「杉」「ヒノキ」など日本で親しまれている木材についても解説し、それぞれの特徴や選び方をわかりやすくご紹介します。
1. 無垢フローリングの魅力とは?
無垢フローリングの魅力は、以下の点にあります:
健康的な住環境:化学物質の使用が少ないため、シックハウス症候群のリスクを軽減。
自然素材の心地よさ:木材特有の香りや温かみ、経年変化を楽しめる。
調湿効果:湿気を吸収・放出し、室内環境を快適に保つ。
一方で、無垢フローリングを選ぶ際には、木材の特性を理解し、用途に合わせた正しい選定が必要です。
2. 木材の特徴:
ここでは、弊社でよく使う「イタヤカエデ」「ブナ」「クリ」に加え、「杉」や「ヒノキ」など日本で人気の高い木材、その他の特徴を整理してみます。
杉
特徴:日本で最も親しまれている木材の一つ。軽く柔らかい木質で、赤みがかった美しい色合いが特徴です。
メリット:手頃な価格で入手しやすく、断熱性や調湿性に優れています。柔らかいため足触りが良いのも魅力です。
注意点:柔らかい分、傷がつきやすい。天然の香り成分(フィトンチッド)が強く、化学物質過敏症の方には刺激になる場合があります。
用途例:リビングや寝室など、リラックスしたい空間に最適。
ヒノキ
特徴:高級感があり、日本では「木造住宅の柱」としても使われる丈夫な木材。淡いピンクがかった色味と独特の香りが特徴です。
メリット:耐水性が高く、カビや虫に強い。香りにはリラックス効果があり、調湿効果も抜群です。
注意点:香りが強い場合があり、過敏症の方には刺激となることがあります。また、価格がやや高め。
用途例:キッチンや洗面所などの水廻り、あるいはリビングや和室。
イタヤカエデ(ハードメープル)
特徴:非常に硬く、耐久性が高い。明るい色調と均一な木目が特徴で、モダンな空間に適しています。
メリット:傷がつきにくく、耐摩耗性が高いため、使用頻度の高い場所でも安心。
注意点:硬いため、施工には技術が求められることがある。
用途例:リビング、廊下、子供部屋など。
ブナ(ビーチ)
特徴:細かい木目と滑らかな手触りが特徴の木材。温かみのある色調が人気です。
メリット:加工しやすく、表面仕上げが美しい。シンプルでどんな空間にも馴染みやすいデザイン。
注意点:水分を吸いやすく、「あばれやすい」(反りや収縮が起きやすい)ため、水廻りには不向き。
用途例:リビングや寝室など、湿気の少ない場所。
クリ
特徴:硬くて耐久性が高く、湿気に強い木材。使い込むほどに味わい深い色味に変化するのも魅力です。
メリット:耐水性が高いため、湿気の多い場所でも使用可能。耐久性が高く、長期的な使用に向いています。
注意点:価格がやや高い。施工時にしっかりとした調整が必要。
用途例:キッチンや洗面所などの水廻り、リビングや玄関。
オーク(ナラ)
特徴:硬く、香りが控えめで耐久性が高い。
注意点:過敏症の方にも比較的安心して使えることが多い。(商品による)
用途例:リビングや廊下など使用頻度が高い場所。
ウォールナット
特徴:深い色合いと控えめな香りが特徴。高級感がある。
注意点:香りが少ないため、過敏症の方でも使える場合がある。
用途例:モダンな空間にぴったり。
3. 水廻りでの木材選びのポイント
水廻りでは、湿気や水分への耐性が重要です。特に、クリやヒノキは耐水性に優れ、カビや腐食に強いため、水廻りに適した木材です。
一方で、杉やブナは水分を吸収しやすいため、水廻りには適していません。これらは湿気の影響が少ない場所で使用するのが理想的です。
4. 過敏症の方への配慮と弊社の選定基準
弊社では、化学物質過敏症やアレルギー体質の方にも配慮し、以下のような基準で無垢フローリングを選定しています:
香りの強さに配慮 天然木の中でも、特に香りが控えめな木材(クリやイタヤカエデなど)を厳選。杉やヒノキは香りが強い場合があるため、敏感な方には慎重にご提案します。
製造工程のチェック 製造過程で使用される薬品や乾燥方法による匂い残りを確認し、過敏症の方にも安心な製品を選んでいます。
サンプル提供と試し使用の推奨 無垢フローリングは実際に使用する環境によって印象や匂いが異なるため、試しにサンプルを取り寄せ、体感していただくことをおすすめしています。
5. まとめ
無垢フローリングは、その自然素材ならではの魅力と健康住宅への適応性で多くの方に支持されています。ただし、木材の種類によって香りや特性が異なるため、用途や住む人の体質に合わせて適切に選ぶことが大切です。
杉やヒノキなどの親しみやすい木材から、イタヤカエデやクリといった高耐久性の木材まで、無垢フローリングの選択肢は幅広く、可能性に満ちています。ぜひ、自分たちの暮らしに最適な木材を見つけてみてください。
コメント